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長く当社で働いてきた中で感じることを教えてください。

会社の方向性は代表の中で一貫していますが、常にブラッシュアップされるので、付いていくのに必死になりますね。それは昔からですし、これからも続いていくと思います。良くも悪くも新しい価値観を求め続ける組織だと思います。ただ、私自身も変わらない=停滞だと思っていて、変化し続けるには大きなパワーが必要で、誰もができることではないので、そういった意味では「変化し続ける代表がいること」は当社の強みだと感じています。その上で、これから会社が大きくなっていく中で、メンバーが理念を理解できず離れていくのは寂しいです。だから、私は代表と現場を繋ぐ「翻訳者」でありたいと考えています。経営層が何を見て何を目指しているのか、実務としてどう繋がるのかを自分の言葉でメンバーに伝え、進めていきたい。それが長くここにいる自分の責任だと思っています。

坂口邦彦

チームづくりで意識しているポイントは?

相手の考えを否定しないよう意識しています。人はそれぞれ考え方の基準が違う。なぜそう考えたかはその人次第、それが自分と違うからといって、自分が絶対正しいわけではありません。自分が正しいとは思わずに生き、その前提でメンバーと関わる。それを心がけています。そうすることで下の子たちの考え方や伝えたいことを拾ってあげられると考えています。新しく入る方々に伝えたいのは「自分が正しいと思うな」ということですね。そして常に笑っていられるようにしてほしい。笑えていないということは何かが崩れている状態で、基本的にその原因やその状態から戻せるのは自分の考え方次第です。周りを変えることはできません。変えられるのは自分だけ。当たり前の話ですが、それを理解できているかどうかは大きい。だからこそ、まずは自分がこの考えを体現していたいと思っています。

坂口先生にとって臨床獣医師とは?

坂口邦彦

臨床獣医師という仕事をしていると「助かった」「ありがとう」という感謝の声が直接聞こえます。だからこそこの仕事は、自分自身の満足度や自己肯定を上げることができる仕事だと感じています。また、私にとってこの仕事は「どうぶつを助けること」ではなく「飼い主さんが満足いくこと」だと考えています。もちろんどうぶつが助かって飼い主さんに満足していただくことが色々な意味でベストですが、仮にどうぶつが助からなかったとしても、飼い主さんが納得し、満足いく治療をできたのであればそれが本質的だと考えています。「クレームにならないように仕事をしている」と言うと一見ネガティブですが、「クレームにならないようにしている」という事は「間違った医療にもならないようにしている」とも言えますし、その飼い主さんにとっても間違った医療ではなかった。と言えると私は解釈しています。常に飼い主さんが後悔しない治療をすることを優先しています。

これからの動物医療と当社の未来をどう描いていますか?

医療技術はどんどん進歩しています。やれることが増えるのは素晴らしい。でも選択肢が増えた中で、その治療が本当に飼い主さんのためになっているのか。それを考える余地がさらに増えましたし、それはこれからも増えていくと感じています。最近も、ある飼い主さんが「やれることはあるかもしれないけど、あまり治療はしたくない」とおっしゃっていました。すごくリアルな声だと思って、自分も積極的に治療を望む方には技術と知識をつけて提供したい。でも緩和だけを望む方もいるし、経済的理由で選択できない方もいます。医療としてのベストではなく、その飼い主さん・その家庭でのベストを目指す。飼い主さんのことをしっかりと考えられる医療であってほしい。それが当社の方針でもあってほしいですし、そうあってくれると信じています。

この仕事を通じて「どうぶつを想う・人を想う」と感じた瞬間を教えてください。

坂口邦彦

長い闘病の末に亡くなった子の飼い主さんが、暫くして新しい子を連れて来てくださることがあります。治療としては最終的に亡くなった。という結果かもしれませんが、飼い主さんの中でそれがちゃんと昇華できて次の子にまた愛を注ごうと思ってくれている。次に繋がってきているということが自分の行動として、どうぶつも人も想えた結果なのかなと感じます。もう一つ、個人的にすごいなと思ったのは、病気で亡くなった子がいた時に、獣医と飼い主さんが笑い合っていて。亡くなったという悲しい状況なのに、今までの思い出を振り返りながら笑い合っている。これは本当に凄いことで、そういう環境を作れているのは、その獣医がしっかりどうぶつのことを考えてあげられていて、それが飼い主さんに伝わり、信頼関係が作れている状態だったということです。別の獣医のワンシーンですが、これは当社の理念が体現されている場面だなと感じました。

この会社で活躍するために必要な力は?

坂口邦彦

いろんな人がいることを受け入れる柔軟さです。1つのことに囚われると自分も潰れるし、相手にも負荷をかけてしまう。気持ちの切り替えというと少しニュアンスが変わるかもしれませんが、「あれはあれ、これはこれ」と、色々な状況や考え方・背景・人。飼い主さんにもさまざまな方がいらっしゃる。そういったことを切り分けて、自分の思考に囚われずに柔軟に考えられるようになることが大切だと思います。これは会社ではなく、自分の心のために、自分が潰れないように、相手も自分も皆違うんだということを考えられるか。その「違い」を受け入れる柔軟さを持っていないと、これからの人生は辛くなると思います。逆に言えば、それを持っていると人生は豊かになりますし、会社でも活躍できる人になれると思います。

© どうぶつ病院京都グループ

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